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Dr.辻本の乳腺診断2 総説+カテゴリー分類 MMG vs US  

辻本 文雄 著

定価(本体6,800円+税)   発行日:2019/4/15   ISBN:978-4-906714704
B5判/248頁

・好評の『Dr. 辻本の乳腺診断〜カテゴリー分類 US vs MMG』にさっそく続編が登場しました.

・症例集に徹した前著とは一転,総説が充実.マンモグラフィと超音波検査の特性の違いが明確に把握できます.

・症例は特に示唆的と思われる症例,疾患として取り上げるべき症例を精選したうえで,判定当時のマンモグラフィのカテゴリーに基づいて配列.

・前著と同様,判定時のコメントを手がかりに画像を対比しつつ解説しています.

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序文

はじめに
〜「Dr.辻本の乳腺診断2」の刊行にあたって〜

 一昨年の秋に刊行した「Dr.辻本の乳腺診断」は,同一施設で2年間に乳房超音波検査を受けてカテゴリー診断がついているものを日付順にランダムに抽出し,カテゴリー順に配列し直した症例集として企画したものであった.
 マンモグラフィは現時点でも乳腺画像診断のアルゴリズム上,first choiceであり主力検査であると喧伝されている.しかし,超音波検査とマンモグラフィを同時に施行された症例を診断する機会を持つ筆者は,本邦では多くの場合,超音波診断のみで十分事足りるとの印象を持っていた.
 実際,前著で症例提示した乳癌43病変のうちマンモグラフィではカテゴリー(C)が1~3とされ,悪性(C5)ないし要精査(C4)と判定できなかったものが16病変,37.2%(16/43)も存在した.その内訳は,正常(C1)7例,良性(C2)5例,要経過観察(C3)4例であり,C1とC2の合計12例,実に約3割(27.9%,12/43)でまったく癌と判定できず,なおかつそのまま放置されるといったおそれがあることが明確となった.一方,超音波検査では2例に見落としがあり,1例はC3,他の1例は右浸潤性乳管癌をC5と判定したが,同時に反対側に存在した粘液癌を線維腺腫としてC2と判定していた.非浸潤性乳管癌は5例あり,超音波検査ではいずれもC4~5の判定であったが,マンモグラフィは3例がC4~5(石灰化あり)で,1例がC3(石灰化なく,局所的非対称性濃度)であった.
 前著の執筆に際して,あまりにもマンモグラフィが意味を成さない例が多かったことから,マンモグラフィのカテゴリーに基づいて同様に症例を並べ,超音波検査を提示しつつ読み解くという,いわば逆の発想が浮かんだ.
 実際に相当数の症例を抽出して並べ直し,レイアウトまで組んでみたのだが,カテゴリー1,2ないし0と診断されている症例に浸潤癌が多数含まれていることから,マンモグラフィとしてはあまり教育的でない教科書となってしまうことがわかり,曲折を経てまったく趣の異なる書籍として刊行する運びとなった.
 本書の内容で特徴的なことは,マンモグラフィの特性について超音波像と対比して総説にまとめたことにある.マンモグラフィを全否定するのでなく,その特性を周知し乳腺画像診断に役立てる必要がある.すなわち,一般に言われている『マンモグラフィは石灰化が得意で超音波は腫瘤の検出に優れる』といった固定概念から離れて,両者の特性の違いを明確にした.当然のことながら,症例の扱いも大きく異なっている.今回は抽出した症例中,特に示唆的と思われる症例や疾患として取り上げておくべき症例をさらに精選し,マンモグラフィのカテゴリー順に配列した.そのため,前著よりも,やや難解な症例が多いと思われるかもしれない.しかし,判定当時のカテゴリーやコメントから症例の解説をスタートするというスタンスに変わりはない.
 マンモグラフィと超音波検査それぞれの総説とありのままの症例(病理診断に合わせて記述を変えるようなことはしていない)を,日々の臨床に役立ていただければ幸いである.

2019年3月
辻本文雄

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目次

はじめに〜「Dr.辻本の乳腺診断2」の刊行にあたって〜
乳がんの分類
乳がんの主な組織分類と乳腺悪性腫瘍中の頻度(旧分類)
マンモグラフィ検診の利点と欠点
超音波(エコー)検診の利点と欠点
乳腺疾患診断のアルゴリズム(手順)
BI-RADS®によるカテゴリー分類

【0 はじめに(おことわり)】

「乳癌取扱い規約」第18版と本書の記述について
主な改訂点
 腫瘤(腫瘍)の臨床的記載法
 臨床病期(Stage)分類
 治療の記載法
 再発部位による分類
 乳腺腫瘍の組織学的分類

【1 総説 マンモグラフィ】

 マンモグラフィの基本と注意点
 マンモグラフィ診断の特徴
 壊死型石灰化と分泌型石灰化の違い
 腫瘤の形状
 腫瘤の濃度
 腫瘤の境界
 石灰化の形態による診断
 明らかな良性石灰化
 構築の乱れ architectural distortion

【2 総説 超音波】

 乳腺腫瘤良悪性の診断基準
 乳がんの典型的な超音波像
 超音波検査による乳腺腫瘤検出のポイント
 乳腺腫瘤の良悪性判定:形状 shape
 乳腺腫瘤の良悪性判定:血流評価 vascularity
 縦横比(たてよこひ,longitudinal transverse ratio,L/T ratio,LT比)
 辺縁 border, margin
 境界エコー boundary echoes
 sonographic spiculation(connective tissue sign)
 内部エコー internal echoes
 腫瘤内点状エコー echogenic spot in the mass
 後方エコー posterior echoes
 外側陰影 lateral shadow
 浸潤癌の後方エコー
 リンパ節の超音波解剖
 リンパ節転移の超音波診断
 転移性リンパ節の血流
 リンパ節良悪性の鑑別
 乳房内リンパ節
 乳房内リンパ節の超音波像(矢印の部位)
 正常腋窩リンパ節の様々な超音波像(矢印の部位)
 リンパ節腫大の鑑別(典型例)

【3 総説 知っておくべき疾患】

 乳房の良性疾患(境界領域含む)
 嚢胞 cyst
 乳腺症 mastopathy, fibrocystic disease, mammary dysplasia
 脂肪壊死症 fat necrosis
 乳腺線維症 fibrous breast disease
 乳管内乳頭腫 intraductal papilloma,嚢胞内乳頭腫 intracystic papilloma
 放射状瘢痕 radial scar
 葉状腫瘍 phyllodes tumor
 乳管腺腫 ductal adenoma
 異型乳管過形成 atypical ductal hyperplasia(ADH)
 非浸潤性乳管癌(DCIS)
 粘液癌 mucinous carcinoma
 浸潤性小葉癌 invasive lobular carcinoma
 invasive ductal carcinoma with larg, central acellular zone(大中心無細胞領域を伴う浸潤性乳管癌)

【4 症例編】

<マンモグラフィ所見:C1〜2>
 症例01 30歳女性 右線維腺腫
 症例02 59歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例03 51歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例04 45歳女性 左浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例05 61歳女性 両側浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例06 72歳女性 左浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例07 42歳女性 左浸潤性乳管癌(硬癌)
<マンモグラフィ所見:C3>
 症例08 42歳女性 両側乳腺線維症
 症例09 50歳女性 両側嚢胞/左乳房内リンパ節
 症例10 48歳女性 右乳管内乳頭腫
 症例11 61歳女性 右良性葉状腫瘍
 症例12 65歳女性 右乳頭腺管癌(日本乳癌取扱い規約)あるいは非浸潤性乳管癌(WHO分類)
 症例13 37歳女性 左浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
<マンモグラフィ所見:C4〜5>
 症例14 45歳女性 右放射状瘢痕
 症例15 67歳女性 右乳管腺腫
 症例16 44歳女性 右線維腺腫(乳腺症型)
 症例17 48歳女性 右異型乳管過形成,atypical ductal hyperplasia(ADH)
 症例18 43歳女性 右flat epithelial atypia(FEA)
 症例19 61歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例20 45歳女性 左浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
 症例21 39歳女性 左浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
 症例22 40歳女性 右浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
 症例23 76歳女性 左浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
 症例24 45歳女性 右浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例25 57歳女性 右浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例26 43歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例27 44歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例28 62歳女性 右浸潤性乳管癌(硬癌)
 症例29 75歳女性 右浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
 症例30 63歳女性 左浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例31 65歳女性 右浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
 症例32 71歳女性 右DCIS(面疱型)
 症例33 39歳女性 左浸潤性小葉癌

【COLUMN】

■がん遺伝子とは
■マンモグラフィ偽陽性かつ偽陰性例:29歳 DCIS(面疱型)
■エビデンス(evidence)とは
■組織加重係数
■乳房腫瘤のMRI診断
■X線被曝2ミリグレイの体内各部位でのシーベルトへの換算値
■線維腺腫の超音波所見
■線維腺腫の亜分類
■線維腺腫の治療法
■浸潤癌と放射状瘢痕の超音波像の違い
■乳がんになりやすい人となりにくい人との違い
■乳腺は人体の中で最も放射線感受性が高い
■日本は世界一の医療被曝大国
■マンモグラフィによるX線被曝は決して少なくない
■寿命が延びるにつれて増加する多重がん
■twinkling artifactにより微細石灰化が検出できる

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